倶楽部便り:会員の近況報告・・・28号
倶楽部便り:会員の近況報告:第28号
*塩野 秀作
1.富士山初登山
8月25~26日、富士山初登山に慶応ビジネススクール受講仲間4名と挑戦し成功。ご来光も拝むことができて良い思い出になりました。
2.六甲縦走路56kmを5分割し、7/14~9/24の間に5回で完歩。
①須磨浦公園→②妙法寺→③鵯越駅→④大竜寺→⑤六甲ケーブル山上駅→宝塚
3.世間は狭い。
世間は狭いですね。先日、9/25~27台湾の合弁会社の台湾塩野香料の董監事会に出席するため台湾に出張しました。中国上海の弊社子会社である現地法人の藤原董事長に会った際に、「台湾三田会の役員をされていた柴山さんにはゴルフコンペでは大変お世話になった。」と申しておりました。もしかしたら、諭吉倶楽部に寄稿されている柴山晴哉さんではないかと思っています。
4.熊本県交流事業に参加
10月4日、5日と熊本県に出張。熊交(ゆうこう)会の熊本県交流事業の一環として1年毎に交互に交流しています。会長の私を始め14名が大阪から参加、県北部の山鹿市、玉名市、和水町を訪問。
①金栗四三 生家(和水町)を訪問。NHKの2019年大河ドラマの主役の1人である金栗四三さんの生家を見学。NHKが撮影に来たそうです。
②あつまる山鹿シルク視察 桑畑で桑を作り蚕を育てシルク生産し化粧品や石鹸に配合し本格的な事業化にしていくそうです。
③菊鹿ワイナリー視察 契約農家からブドウを購入し熊本ワインとしてワイン醸造し、ワイン新興国の世界大会で金賞を獲得。自営の畑を作り、新工場を建設しプレミアムワインの製造に挑戦中。意見交換会では、小野副知事、和水町長、玉名副市長、県商工観光部長、県・地元自治体の幹部の方々18名が参加し意見交換、有意義な会合でした。
5.10/16 香料慶応会(慶応三田キャンパス北館ファカルティクラブ)に出席 出席者21名
(塩野:大阪慶應倶楽部 副会長)
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*柴山 晴哉
ここ台湾も日本と同様、書籍の市場縮小や書店数の減少という命題を
背負っている。そんな中、台湾著名人“呉 清友”氏が率い
新たな書店のあり方を模索してきた「誠品書店@The Eslite Bookstore」が
創立25周年を迎え、台湾国内40店、内台北市内に18店もの規模を
更に拡大されている。http://www.eslite.com
中華圏をターゲットに文化クリエイティブ産業のプラットフォームとして
読書ライフ拡大に再挑戦されている。この書店での最大の特徴は、店内の
ベンチや床に座ってどの本も座り読み出来ること。
私の自宅から最寄の地下鉄駅まで徒歩10分。途中階下に降りると改札口まで
約100mの地下街。ここが西暦2000年には古書街として生れ変ったが、
ほぼゴーストタウン化したので、3年前に誠品グループが借り換えし、
新刊書籍をベースにクリエイティブな雑貨・飲食品の発信基地となり
私の身近な店頭観察・定点観測エリアにもなっている。
私は“まずは英語”世代なので、誤字脱字は中国語より英語の方が
敏感に反応する。この地下街が西暦2000年に古書街となった時、
各店舗は自店のシャッターには祝21世紀の絵画を自分達で描くことが
認められた。私がその開店式典翌朝その通りを歩いた時、
最初に目に付いたのが添付のシャッター。メインの表記“21stが
21th″はとても残念と思っていたが、18年経ってもそのまま。
しかし、誠品の知己に尋ねたところ、彼らにとって古書商との共存共栄も
大切なことでそのまま残しているとの弁。
(柴山:台湾三田会 首席顧問)
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*奥村 一彦
10月24日、大分県中津市の「福澤諭吉旧居 福澤記念館」、次に宇佐市の「大
分県立歴史博物館」を訪問しました。
どちらも、福澤諭吉展を開催中で(なおもう一カ所、大分県立先哲史料館でも
同時開催中です)、大変感銘を受けました。福澤記念館では、『学問のす々めの
ヒミツ』~郷里中津と小幡篤治郎 として学問のす々めについて、展示がありま
した。大分県立歴史博物館は、さらに展示が充実しており、福澤の唯一最後まで
所有していた刀一振りをはじめ、手紙類、原稿、写真(福澤諭吉と一緒に写真が
撮れます)、珍しいのでは日清戦争後の金玉均の大きな揮毫、彼から贈呈された
手あぶり、200人にも及ぶ朝鮮からの慶応義塾留学生の写真などです。大阪であっ
た福澤諭吉展と重なっている展示もありましたが、展示物は600円の冊子にすべて
入っており、満足しました。
福澤記念館は11月25日まで、大分県立博物館は11月11日までです。西澤直子先
生の講演も企画されています。
サンクトペテルブルグで撮った写真に、一緒に写りました。
(奥村:弁護士)
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*杉本 知瑛子
1)台風21号の被害
21号の台風で倒れた植木の整理は、昨日名前も定かでない花友達ご夫妻がこれでは大変だと全部整理をしてくださいました。日本人にもいい人がたくさんいる、こんな災害が続くことで実感できる人間の暖かさもあるのです。
今年大阪に押し寄せた記録的な災害の多さ、今回はその中で私が一番被害を受けた台風21号による災難と人間の暖かさを報告したいと思います。(自宅の被害は植木のみ)
「台風で倒れた大きな植木鉢の数々は、どれも私の力ではびくとくせず歩道に横たわっていました。
大阪では市の片付けを待っていたら何時になるか分からないくらい、多くの被害が出ていることを放送で知り、植木屋さんに頼もうとしたのですが多忙でだめ。それで昨日は植木が倒れたのを幸いに高所に繁り過ぎた枝を剪定しました。
今日は朝からネットで電動のこぎりを捜し注文をしましたが、3時過ぎに、いつも家の前の道を通っているお花好きの男性が心配して訪ねてこられました。みごとに道一面に倒れている植木を見て、自分が整理をすると言い出され、私の望みどおり、のこぎりで木を切り根っこも整理し、元のところを小さな花壇のようにしてくださいました。私はまだ足も腰も痛くお手伝いが出来ないので、ご自宅に電話をし奥さんに工具を持ってくるよう仰り、奥さんも一緒にそのまま枝を切って整理をしてくださいました。
今年の初夏、自宅に咲いている紫陽花の花がきれいだから、挿し芽をしたいといつも“あの花が欲しい、こっちの花も”と名前もはっきり知らないままの立ち話で、いわゆる同年輩の花友達でした。それでも地震や台風など災害の時には、一人で無事かと訪ねてくださったのには、本当に感謝でした。もう高木はこりごりなので、根の部分は残したまま幹や枝を切り、道路上に山のように積み上げてくださいました。
市の収集にも手間がかからないよう奥さんが手際よく束にし、大量のゴミと一緒に置いて下さり、植木の下敷きになっていた電動自転車も今晩の雨の前に無事姿を現しました。家の前の歩道も通行できるようになり、お二人の作業が終ったのは夜の9時でした。休みなしに6時間も重労働をしてくださいましたが、まだまだきちんとできていないからと明日また来るとのことです。
歳を重ねるということは周りの人達に頼らねばどうにもならないことがいろいろ出てくるようです。誰にも頼らずに頑張るのではなく人の好意を素直に受け、その分自分も柔軟にやさしくならなければいけないのでしょう。歳を重ねて体力的に弱くなっていくことも、次から次へと押し寄せる災いも、自然との共存を甘受すれば、恐れることは何もないということであり、そしてこんな時こそ人間の本質が顕れるといえるのでしょう」 (9月6日 記)
「昨日も朝9:00からかの男性が見えられ、雨が降らないうちに、と言われ作業の続きをやり出されました。空き地も無いのに花壇ができ、飛ばなかった桑の木3本も低くして、根っこの整理をしながら植木鉢が安定するようにあっちへ置きこっちへ置き、納得するまで重労働作業を続けられました。今日も暗くなるまで作業をしておられました。
作業が終わる頃、遠くからずっと作業を見ていた近所のおばさん達が寄って来て賞賛の嵐です。
「杉本さんは本当にいい友達を持っているね」「プロでもここまでの仕事はしないよ、本当に花が好きなんだね」奥さんもご主人も、ボランティアでしたことだと言って、お礼は一切受け取らなかったことも目撃していたおばさん達は、「お金のかわりにお花が咲いたらたくさんあげて。今年何回もあげていたのを見ていて知っているけれど、来年はそれにプラスしてもっともっとたくさんあげてほしい・・・本当にお花の好きな人みたいだから・・」
無関係の、遠くから見物していたおばさん達が感動しているのです。
「お金やお礼を貰うつもりなら、最初から自分が整理をする、とは言わなかった」「人が困っているのを助けるのは当たり前のことですよ」と今日も頑としてお礼を受け取られず、それでまだ明日も気になっている鉢の整理をする、と言って帰られました。台風はまだまだ来るかもしれないので、今度はもう飛ばないようにして下さるつもりのようです。
私は何のお手伝いもできない・・・しないまま今日も終わり・・・「電動のこぎりが到着したら私にも切れる!」と言っていたら、おばさん達に、「できない、できない」と笑われてしまいました。
「いい人に助けてもらってよかったね」と・・・この調子ならおばさんたちはもう明日には町内中に喋りまわっていそうな雰囲気です。というより確実に喋っている!おばさん達の(おしゃべり)調査では、その人の電話帳には1,000名位が登録されていて未登録の電話は繋がらないようになっている、だからこのようなボランティアはあちこちでしているようだ、とのことでした。
私の知らないその人の家の場所も聞き出していました。恐るべし大阪のおばちゃん達!・・・ 」
(9月8日記)
後日談:ジャングルのようだった木々が無くなり、寂しくなった植木鉢にはチューリップ、フリージア、ダッチアイリス、アネモネなどの球根を所狭しと植えまくり、残した紫陽花や菊やバラのなかに深紅のコスモスを置き、何時暴風雨が押し寄せてももう大丈夫と一安心です。
最近根元付近から切られた枇杷の木やスモモの木からも新芽が出てきています。
自然の生命力の強さを感じます。 (10月17日 記)
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2)10月20日、関西合同三田会近江大会に参加。(オプショナルツアーは2箇所からの選択)
A「湖上から見る近江の歴史と自然」、
B「比叡山延暦寺参拝と千日回峰行者の講話」
Bの選択をし、午前8時30分私はJR大津から貸切バスに乗り込みました。
バス下車後、延暦寺まで15分位の距離ならとたかをくくり、行ってビックリ、距離は近くてもその道は急な坂と大きな階段ばかり・・・の上り下りの難所道・・・
知らぬが仏とはよく言ったものです。
それでも根本中堂に拝観でき、藤波源信大阿闍梨様の講話を拝聴し、最後に呪文を唱えられながら参加者一人一人への御加持を頂いた時には、大きな感動を覚えていました。
千日回峰行者様の呪文の威力を目の当たりにして、何度も身震いしながら行者様の声と自分の中の祈りが重なり、身体の震えと硬直なしには御加持を頂けませんでした。
行者の験力というものがどのようなものか、もの凄い体験をさせて頂きました。
小雨降るバスからの車窓も、北山杉の深い森と眼下はるかに広がる壮大な琵琶湖の景色に、藤波源信様の講話でのお話のように、不運に悪い天候であっても、雨だからこそ眺められる潤う木々や霞がかった琵琶湖の美しい景色、そして雨に洗われた清涼なお山の空気等に感謝しながら、真に心癒される時間を過ごさせて頂きました。
ましてや、雨の中、両手でステッキを持つ私が困らないよう、躓いたり転んで怪我をしないよう、常にサポートしてくださった大阪慶應倶楽部副会長塩野様のお優しいお心使いには、本当に嬉しく感動致しました。
今回のツアーには、予想に反し高齢者の参加が多かった、と幹事の方が仰っておられましたが、
足に自信のあるご高齢者だけでなく私以外にもステッキをついて歩かれている方を拝見しました。
大阪慶應倶楽部主催「宝塚歌劇観劇会」でも、最初は皆無だったご高齢者が最近は杖をついたり、
ご家族に付き添われての参加が目立つようになってきています。
もちろん私も高齢者ですが、大変大変と言いながらでも参加できていることに勇気を得て、又幹事の方々のご配慮に力づけられ、私同様ご参加を決めておられるご高齢者も多くおられるのではないでしょうか。
なにしろ私は高齢女性の一人参加です。
慶應倶楽部の行事なら困っても誰かが助けてくださる、という本当に厚かましい考えでの参加です。
でも、実際助けてくださる方々がおられるのです。
慶應の若い人達も、そんな他人を思いやる姿を目の当たりにして、いい勉強をされているのではないでしょうか?
「知識交換世務諮詢」、このような場面でも生きた福澤精神が垣間見られます。
いい大学を卒業したものだ、と感じずにはいられません。
諭吉倶楽部執筆担当メンバーのお一人である塩野秀作(大阪慶應倶楽部副会長)様には、8時30分のバス乗車から式典・懇親会を経て午後5時30分大阪駅到着まで、完全なサポートをしていただきました。
この夏からの猛暑や台風などで心身共に疲れ、足も腰も痛みが続き参加不可能と思いながらの参加でした。
昨年度「関西合同三田会奈良大会オプショナルツアー飛鳥路巡り」での慶應塾員センターの北村課長様といい、今回の大阪慶應倶楽部副会長の塩野様といい、こういうやさしさも慶應精神なのでしょうか?
慶應の行事でなければ私の参加は不可能だったと思います。(多分、参拝は断念でバス内待機・・です。)
この場を借りて、お世話になった皆様と大阪慶應倶楽部副会長の塩野様には心よりの感謝とお礼を申し上げさせて頂きたいと存じます。
「どうも有難うございました!」
(10月21日 記)
(杉本:元声楽研究家)