白石6)おもてなしの日本酒文化考・・・9号

おもてなしの日本酒文化考

白石 常介(81年 商卒:台湾三田会 副会長)

「おもてなし」を辞書で引くと、「“もてなし”に丁寧語の“お”を付けた言葉であり、お客様への歓待、表裏のない心でお客様をお迎えすること」などの説明があります。

日本酒はまさに「おもてなし」の心を持ち大切なお客様に接する文化としてもとらえることができると思います。

このような日本で生まれた素晴らしい日本酒文化をさらに広めたく、このたび「CherrieとSweetieの日本酒珍道中・人生街道」を書きました。

悠久の昔からの先人たちのたゆまない努力とその土地の風土と現代の杜氏や蔵人たちの最新技術がうまく融合された宝石のように輝く至高の液体として一滴一滴醸し出された日本酒、それはまさに日本の伝統的食文化の代表の一つとして飲む人の心をとらえています。

現状の日本酒は過去最高の品質であり、吟醸酒、純米酒、本醸造酒など、種類も豊富にあり、冷やにしてよし、常温でよし、お燗にしてよし、飲み方もさまざまであり、また各種食事との相性も素晴らしいものがあります。

このような日本を代表する素晴らしい日本酒は、最近は民間の海外戦略にも貢献しつつあり、また、日本政府の国酒プロジェクトも正式に始まっています。

海外でも日本酒が評価され浸透しつつあります。

欧米では白ワインなどと同様にワイングラスで日本酒を飲むスタイルが徐々に定着しつつあるようであり、うれしい限りです。

今後はお猪口等の伝統的酒器などとともに日本酒文化としてとらえていただけるようになることを願っております。

また、台湾ではここ1~2年で以前にもまして日本酒に興味を持つ方々が増え、日本酒関連の学苑も立ち上がり、ますます盛り上がりをみせています。

ところで、「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。

これは懐石料理などの個別のモノを対象としているのではなく、「食に関する慣習」を対象としています。

よって、和食には欠かせない日本酒文化も大いに広められることでしょう。

また、2020年は日本でオリンピックが開催されることもあり、今後日本はさらに注目を集めることになります。

このよい機会に日本酒をもっと理解していただき、皆様方自らが日本酒を文化として日本国内のみならず世界に発信していただければと思っております。

そこで、まずは日本酒の歴史、醸造方法、飲み方、楽しみ方等々について認識していただければと思い、台湾生まれの2匹の犬(ワンちゃん)とともに日本全国の酒蔵巡りをしながら得た知識・魅力を犬の視点より、読みやすく、分かりやすく、面白おかしく綴ったエッセイ「CherrieとSweetieの日本酒珍道中・人生街道」(角川学芸出版)を書きました。

世界に羽ばたこうとしているおもてなしの日本酒文化を、まずはその醸造元である日本にて、伝統的文化の一環として認識しつつ楽しんでいただければと願っております。

2014年1月15日

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                         祝!御出版

               『CherrieとSweetieの日本酒珍道中・人生街道』(角川学芸出版)

 

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