白石24 )小さな出来事 その17「誕生日としわ」・・・40号

              小さな出来事 その17「誕生日と“しわ”」                         

                         白石 常介(81、商卒)

                         (台湾三田会 顧問)

誕生日とはその人が生まれた日、また、毎年の同じ日をいう。

ということは、例えば1971年7月26日に生まれた人は、誕生日はその日のみでもあり、毎年の7月26日でもあるということか。

「ねえ、毎年の誕生日ってね、子どもの時はほんとにうれしいわよね」

「そうだね。プレゼントをもらったり、おいしい料理を食べたり」

「なつかしいわ。でもね、お友だちで12月24日が誕生日の人がいて、プレゼントはクリスマス・プレゼントとダブっちゃうんだって。かわいそうね」

「でもさ、2月29日生まれの人は4年に一度なんだろ」

「単純にそれだけ年をとらなければいいのにね」

若いうちは誕生日が来ると楽しいと感じるようであるが、年を重ねるにしたがって誕生日のことを忘れようとする人も。

「特に50歳を過ぎるとね、誕生日が来ると何だか“また一つ年をとっちゃったのか”って悲観的に考えがちになっちゃうのよ」

「だったらさ、いい年のとり方をしているとか、いい年を重ねているって考えたらどうなんだい」

「そうね。だけど、特に女性ってしわも増えて気になるし」

「人間は誰でも必ず年を取っていくんだから、考え方次第じゃないの」

「そういえばどこの国だったか、50歳を過ぎると、次の年は51歳じゃなくって49歳、次は48歳って、年が若くなるんだって」

「それは毎年気持ちが若くなるってことさ。肉体的には無理であっても精神的にはまさに考え方次第なんだよ」

「そうね。あっ、でもしわは見えるから大変よ」

「いやいや、考え方は同じさ。“しわ、それは時を重ねた人生の深みを表している”って考えれば、今までの人生の喜怒哀楽をそのまま表現している自己の歴史の証明として自信を持てるんじゃないかなあ」

「そうね。恥ずかしいって思うから隠したくなるのよ。自己の歴史そのものなのよね」

「いいことばかりじゃなくって嫌なこともたくさん経験してきた。だからほかの人にはまねできない唯一自分だけの人生なんだよ。その証明がまさにその“しわ”さ」

「自分だけの歴史か・・・自信をもって大切にしよっと」

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