塩野3) 西日本大震災に備えよ・(28号)

西日本大震災に備えよ                            
塩野 秀作 (’76 商)

9月20日、大阪市内のホテルにて、講演を聴きました。講師は、鎌田浩毅教授(京都大学大学院人間・環境学研究科)で、「せまりくる天災とどう向き合うか~西日本大震災に備えよ~」というタイトルでした。鎌田教授が、述べられたポイントは、「直下型地震の予測は大変困難であるが、大陸プレート型地震は、過去のデータから将来の発生時期が予測できるので、2030年±5年で発生が予想される西日本大震災に備えよ。」というものです。
江戸時代の1707年に宝永地震(マグニチュード=M8.6)が発生後、1.8m隆起した室戸漁港の漁師が、その隆起量を記録していました。その後、得られたものも含めたデータ解析からフィリピン海プレートが、約1.3cm/年の速度でユーラシアプレートの下に潜り込んでいることが解明されました。1946年の昭和南海地震時の隆起量1.15mを約1.3cm/年で割ると、88.46年となり、1946年に88.46年を足すと2034.46年つまり2035年となります。若干の誤差を考慮して、2035年±5年で計算上は、次の地震発生時期が予測できます。2030~2040年の間に南海トラフを震源とする巨大な地震が発生する可能性は非常に高いようです。
「南海トラフ地震」、「東南海トラフ地震」と聞いても、四国の高知県・徳島県、紀伊半島の和歌山県・三重県に被害が発生するが、その他の地域、京阪神地区は、大きな被害がないと考えがちです。鎌田教授は、「それは間違いです。」と述べ、内閣府の資料を示されて、震度7の地域は、静岡県から宮崎県の広範囲に及ぶそうです。震度6弱以上は、神奈川県西部、山梨県のほぼ全域、長野県南部、静岡県全域、岐阜県南部、愛知県全域、三重県全域、奈良県全域、和歌山県全域、滋賀県南部、京都南部、大阪府ほぼ全域、兵庫県南部、四国全域、宮崎県ほぼ全域、大分県南部、岡山県南部の広範囲の地域になります。震度5弱以上は、千葉県、東京都、埼玉県、群馬県、長野県北部、岐阜県北部、福井県、滋賀県北部、京都府北部、兵庫県北部、鳥取県、岡山県北部、広島県、島根県、山口県、九州全域となり約7.1万㎞2の広大な地域に及びます。このように日本人口の半分の人が被災者になると見込まれているそうです。震災という言葉自体が、地震発生後に政府が正式に名付けるもののようですが、鎌田教授は、南海トラフの大陸プレート型地震による今後発生が予想される災害を「西日本大震災」と呼び、大きな被災が予想される地域に住む人々に、「西日本大震災に備えよ!」と注意喚起を行い、国・自治体はもちろんですが、個人も事前対策を行い、少しでも減災をしていくべきと述べられています。
地震発生を防ぐことは、無理だが、やるべきことをやり備えていけば死傷者はかなり減らせるとのことです。まず自宅の寝室をチェックし大きな揺れが来て寝床に倒れたりするタンス等はないか、あれば倒れないようにする。壁に掛けた絵画等はないか、衝撃で絵画等が飛ぶこともあり危険なので、あればはずすか、飛ばないような工夫をする。地震後も数日中に被災地域外から救援があるので最低3日間の飲用水と非常食の常備をすることが大切です。特に非常食は、まずい乾パンではなく美味しい高級クッキー(例えばツマガリのクッキー)にすることが良いと提案されています。
毎年、交換日を決めて、その美味しい高級クッキーを食べられるとあれば、皆が集まり、防災のことについて話し合える場となり、防災意識も高くなり良い機会となります。
今まで大地震が発生すると、企業等に勤務する人は、公共交通機関が全面運休中に、ほぼ一斉に自宅に帰宅していましたが、これを止めて企業は、大部分が丈夫な建物に入っているので、数日は
むしろ会社に留まるようにした方が良い。そのために企業は、従業員数分の最低3日間の飲用水と非常食の常備をする必要がある。そして、家庭では、家族に大地震発生した際には、メールで無事を知らせた後、数日間は、帰宅しないことを了解ごととして日頃から共有しておけば心配することもないので、是非やってみてくださいと提案された。
鎌田教授も、つい先日も、「南海トラフ巨大地震」の被災総額1410兆円(20年間の累計)という数字が出て報道されたが、あまりにも巨大な数字で、西日本地域の住民も本気では捉えていない、今は口コミが信憑性の高い大切な伝達手段となっている。是非、口コミで伝えてくださいとお願いされていました。「南海トラフ巨大地震」は、高知県、徳島県や和歌山県に住む住民が心配することと最近まで阪神地区に住む私は、考えていましたが、鎌田教授のお話をお聞きして他人事ではないと思い皆様にお知らせする次第です。 資料2枚添付しますので、ご覧ください。
(塩野香料(株)社長、大阪慶應倶楽部副会長)
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