ソフィアさんちのチルちゃんと僕(94)~交詢社とシューベルティアーデ(1-1)~~
「今回はいつものきれいな蝶の写真じゃないんだね。」
「あら、クーちゃんの大好きな一万円札のおじさんの写真なのに?」
「一万円札のおじさんは好きだけれど、このおじさんが出てくると日本語がやたら難しくなるんだもの・・・僕、交詢社なんて言葉・・・聞いたことないよ。」
「そうね、クーちゃんには難しすぎるかもね。じゃあ今回のお話はパスして蝶々さん達と遊ぶだけにしましょうか?」
「えっ?えっ?やだよ、僕いい子だから最後までちゃ~んと聞いているよ。遊ぶのはそれから!チルちゃん!チルちゃん!早くお話を始めてよ!」
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《〔交詢社〕と〔シューベルティアーデ〕(1)
杉本 知瑛子(H.9、文・美卒)
1、 〔交詢社〕とは福澤諭吉の三大事業(慶応義塾、時事新報、交詢社)の一つとして、福澤が在野で取り組み続けた事業である。
時事新報は明治から昭和(昭和11年末に解散)にかけて一流の日刊新聞として存在したのだが、現在も存在する福澤が手がけた事業は「慶応義塾」と「交詢社」だけである。
社是「知識交換世務諮詢(ちしきこうかんせむしじゅん)」から命名された交詢社とは何を目的として設立されたのか?同窓会案から交詢社構想に変化し、福澤諭吉が三大事業の一つとして取り組み続けた「社交クラブ」交詢社とは何であるのか?
それを知るためには、交詢社以前に福澤が創立した慶応義塾とは何かをも知る必要があるようだ。
“慶應義塾とは単なる学校ではない~”故中川牧三先生(元日本イタリア協会会長)からよく聞かされていた言葉である。当時は安易に聞き流していたお言葉であるが、では慶應義塾とは?と意識は交詢社からどんどん迷路に迷い込んでいく。》