ソフィアさんちのチルちゃんと僕(57)~天才と凡人(4-2)~
「わあ、カモミールの花がいっぱいだ」
「ヨーロッパでは風邪薬として飲まれているハーブよ。いい香りがするわ。ソフィアさんが始めて中川先生のところで頂いたハーブティがこれなのよ。」
「気に入って自分でも栽培していた花だよね。」
「そうよ、最初はジャーマンカモミール。それがかわいくきれいだったので、次にはローマンカモミールを探して栽培していたわね。ローマンカモミールは花だけでなく、葉もいい香りなので相当期待して栽培していたのだけれど・・・」
「ゲラゲラゲラ、いい香りなのはよかったけれど、花は同じみたいでも枝はグニャグニャ、花にも枝にも無数の小さな虫がついて、びっくりして花がたくさん咲きかけたら全部抜いてしまってたよね。大笑いだったよ。」
《2、②有名国際コンクールの審査員としていろいろなコンクールを十数か所(日本代表というよりその当時はアジア代表のようで、まだ先進国の一員としてではなく開発途上国としての日本を
背負って毎年半年位はヨーロッパに滞在されていたそうである)、コンクールからコンクール
へと同じ審査員方と行動を共にされていく内に、一日本人(アジア人)としてではなく対等な
音楽家として審査員方(世界の権威の集まり)と親友となっていかれたそうである。
外国の方と親友付き合いが出来るためのご努力は凄まじいものであったという話は以前述
べたことがあるが、日本料理はもとより味噌、醤油に至るまで一切口にはなさらず(日本人=
アジア人=開発途上国人と認識されてしまう)、ヨーロッパではご友人方と全く同じ西洋料理
を頂かれていたのである。
風邪の予防さえもその方々と同じハーブティーを使われていたそうである。
日本ではまだハーブという言葉さえなかった時代である。私がレッスンに伺った時、ハーブや
花粉など身体にいいものをいろいろ教えてくださったが、そのころはなんと奇妙なものを!と
思っていたものである。》