ソフィアさんちのチルちゃんと僕(52)~天才と凡人(3)-2~
「あれ?日本じゃないみたいだ。」
「そうよ、イタリアのマニン宮殿のサロン。ソフィアさんと話している真ん中の男性はだれか分かるかな?」
「遠くて・・・近くても分からないよ。」
「20世紀最高のテノール歌手と言われている、マリオ・デル・モナコよ。」
「・・・・・」「モナコさんは中川先生とはご親友で、ソフィアさんも中川先生と慶應の三浦和男先生のお二人から、イタリアでのモナコさんの講座を受講するように脅されたのよ。」
「ええっ?」「ふふふ、脅されたのではなくて強く勧められたの。」
「びっくりした~」「イタリアでオペラを勉強するという経験は絶対必要だ、というのがお二人の先生方の共通のご意見だったのよ。」
「ソフィアさん飛行機嫌いでなかったかなあ。」
《2、私が中川先生の偉大な特徴(天才性?)として注目していることに、先生の驚くべき人脈がある。世界的な音楽家なのだから日本や海外の著名な演奏家や音楽大学教授(学長を含む)とお親しいのはまだ理解出来るが、外交官・外務省関係者・医学関係者・マスコミ関係者・経済界の重鎮・・・
このように私が知りえただけを考えても、“私はいったいどういう方に師事しているのか”と恐れることすら超越してしまった無感覚さで当時は先生との雑談を楽しんでいた。
そして、先生とお親しい海外の著名な演奏家やマエストロ(マリオ・デル・モナコ、ジュリエッタ・シミオナート、マエストロ・ファバレット、マエストロ・カサグランデ・・・)に海外だけでなく日本でも、次から次へと教えを受けさせて頂き、先生方の名前も記憶できないほど多くの方々から音楽の知識と音楽的感性のご指導を受けさせて頂いた。それなら音楽以外のお知り合いは?・・・》