ソフィアさんちのチルちゃんと僕(51)~天才と凡人(3)-1~

   《   「天才と凡人~(3)-1」

               杉本 知瑛子(H9、文)

1、 「上品な紳士がつかつかと楽屋に来られ、誰だろう、見たことがある人だが、と思っているうちに、以前からの知己という感じで近寄ってこられた。その言葉の中にこもっている気持ちの細やかさ、それに握手したときの、こちらの手を包んでしまうような大きさと、柔らかく温かい感じが本当に印象的だった。あとで、佐々木真さん(京大理学部物理学科出身:東京交響楽団のフルート奏者)にそっと訊くと、「あれが、中川牧三先生ですよ」と教えてもらい、年齢を知って、あっと驚いた。ダンディですっきりとしたさわやかさをもつ、あの人が100歳近いのか!というわけである。」

河合隼雄氏(京大理学部数学科出身・京大名誉教授・臨床心理学者・元文化庁長官・フルート奏者)が中川先生とはじめてお会いになった時の印象をこのように記述されている。

(『101歳の人生をきく』中川牧三:河合隼雄、共著、講談社)

「~親しくおつきあいをさせていただく間に、先生ご自身や周囲の人たちから聞く話の内容は驚くべきことばかり。佐々木さんが“いま朝比奈隆先生(まだ、ご存命中だった)を、『朝比奈君!』なんて呼べるのは、中川先生くらいですよ”といわれたが、なにしろ朝比奈先生を戦争中に、上海交響楽団の指揮者に呼んだのが中川先生なのだから、これも当然のことである。~」

長々と河合隼雄氏のお言葉をお借りしたのには理由がある。》

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