ソフィアさんちのチルちゃんと僕(50)~天才と凡人(2)-5~

 

《「天才と凡人(2)-5」

5、そんな時ベルリンにイタリアのテノールが来て歌うのを聞かれその声に驚愕、是非ベルカント(bel canto)の秘密を知りたいと思われベルリン滞在1年数ヶ月でイタリアのミラノへ移動される。

オペラ:ミラノへ着いたその晩、近衛氏と二人でスカラ座でヴェルディの『リゴレット』を観劇。

近衛氏はドイツのオペラとは全く違うイタリアオペラに感動され、「日本にはまだこういう立派なオペラはない。何としてでも、これを日本に持って帰れ。君ならやれるから、そのまま持って帰れ」

と言われる。中川先生でなくとも誰でも無理と思うことである。独唱、重唱、合唱、オーケストラ、芝居、バレエまで全てである。

「そんなことはとってもできない。一人でやるなんて無理です」と答える中川先生に近衛氏は「一人だからできるんだ!一人でやれ。」と命じられたのである。(続く)

「こわ~、普通の人なら一人でオペラを日本にもって帰れ!なんて言わないよ。近衛さんはよほどイタリアオペラに感動したんだね。それと中川先生にも」

「中川先生には、まだ日本にもヨーロッパにもオペラに協力してくれる人材なんかいない、というのは充分ご承知のはずなのに・・・」

「一人っきりで、先生どうなっていくんだろう・・・」

 

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