ソフィアさんちのチルちゃんと僕(43)~天才と凡人~(1)-5

         《~天才と凡人~(1)-5》

《5、この逸話をおもしろいといったのは、私の音楽の恩師(故)中川牧三先生(元日本イタリア協会会長)がお若い頃、作曲家の近衛秀麿氏とご一緒にヨーロッパを訪問されたときのこと。

超有名人であった指揮者フルトヴェングラー氏に面会した時、彼のスコア(オーケストラの総譜)を見せて頂き、且つスコアを一晩だけ貸して頂けたので、近衛先生と中川先生のお二人でスコアに書かれているフルトヴェングラー氏の自筆記入音符や注意書きを、もちろん徹夜で出来る限り写しまくったと伺っていたからである。

楽譜に記入された事項は演奏家(指揮者)の企業秘密に相当する物である。どんな演奏家でも自分の使っている楽譜は友人はおろか弟子にすら見せないのが普通である。

又この有名な指揮者には面会(アポ無し)だけでも不可能というのが普通らしい。が、ましてアジアの小国日本からヨーロッパに着くなりのこの考えられない厚遇は一体何故なのか?》

「ねえ、ねえ、チルちゃん、中川先生ってどういう人なの?近衛秀麿さんって・・・もしや・・・」

「そうよ、近衛文麿首相の弟さんよ。京都のお屋敷は中川邸のお隣だったので、家どうし親戚づきあいをされていたの。それで中川先生にヨーロッパ留学を勧められて、秀麿氏ご自身が後見人としてご同道されたそうよ。」

「そんな偉い人から聴いた話をここで話してもいいの?」

(写真上:近衛秀麿氏)

(写真下:中川牧三氏)

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