ソフィアさんちのチルちゃんと僕(27)~やさしいことはむずかしい②~
「クーちゃん、お友達が来たからってお外ばかりみていてはだめよ。」
「うん、僕、いい子。お話ちゃんと聞いているよ。でも、やさしいことが難しい、なんてどういう意味なんだろう・・・それなら、難しいことはやさしいのかなあ・・・」
《2、『学問のすすめ』は福澤の信念に基づいて書かれた初めての思想書であるが、「子どもにも理解できるように書いた」とはどういうことであろうか?
現代の子どもの学力と明治初期の子どもの学力が同じとは考えられないが、『学問のすすめ』初編が刊行(1872=明治5年)された半年後には、政府による「国民皆学」の方針が打ち出され、諭吉のこの本は小学校教科書にも掲載されたのである。
しかし、下級武士とはいえ、諭吉でさえ14~5歳で塾に通い初めて読書をしたのである。
(明治の初期頃、父兄による小学校の焼き討ち騒ぎが頻繁におきていたと、慶応の授業で聞いた記憶がある)
その当時、一般の百姓町人では、子供も貴重な働き手だったのである。
小学校の授業料が無料でも働き手を学校にとられるのは、生活に支障をきたす。学校が無ければ行かさなくてもいい。それで、学校焼き打ちである。
それでも明治時代の識字率は以外に高かったそうであるが、難しい文を読める人間は極少数であったと考えられる。》
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◎写真は「クジャクチョウ」:宮川直遠氏撮影(「ハイムの蝶百科図鑑」より)