ソフィアさんちのチルちゃんと僕(23)~オペラ蝶々夫人の魅力⑥~

「わあ!ソフィアさんがピアノを弾いているよ。」

「うふふ、違うのよ。歌を歌っているの。ソフィアさんはいつも伴奏者を頼まないで自分でピアノを弾いて歌を歌うのよ。コンサート会場でない限り、頼んだイベントの主催者は少しでも経費削減のため、ギャラなし演奏をソフィアさんに頼むの。それで高額ギャラの伴奏者は雇えないのよ。歌曲だけでなくオペラまで伴奏を弾きながら歌ってくれ、と言われたときは開いた口がふさがらない状態だったみたい。でも友人達のためにやってあげていたようよ。」

「さ~すが、ソフィアさん!」

《 それまで、私は日本人だから蝶々さんのアリアや重唱の練習はやってきたが、どの場面も舞台で歌ったことはなかった。ドラマティックに書かれたプッチーニの楽譜をそのままドラマティックに歌っていたので、何かが違う自分の歌に納得ができなかったのであろうと思う。

プッチーニのオペラに登場する女性の感動的なアリアは・・・

『Tosca(トスカ)』“Vissi d’arte”(歌に生き愛に生き)、

『Turandot(トゥーランドット)』“Tu,che di gel”(リウのアリア:氷のような姫君の心も)、

『Madama Butterfly(蝶々夫人)』“Un bel di”(ある晴れた日に)、“Tu? tu? tu?”(ああ、おまえかわいい坊や)・・・

などのように主人公の感動のあらわな叫びで聴衆の心を深くゆさぶる曲が多い。

ヴェルディのオペラ『La Traviata(椿姫=迷える女〔直訳タイトル名〕)』“Amami Alfredo”(私を愛してアルフレード)も同じように主人公ヴィオレッタの心の叫びが単純で感動的な旋律となっている美しいパッセージである。

これらのアリアを私は皆同じようなドラマッティックリリコのアリアとして解釈していたのである。プッチーニのオケ(伴奏)はユニゾンで迫ってくるのが多いので歌い手も負けじと大きな声で頑張ってしまう。そこで歌われるのは理想を追い求め意思(愛)を貫く女性の悲劇性で、これでもかこれでもかと言わんばかりに聴衆の感情に訴えかけるのであるから、プリマドンナの独断場である。

                 あどけなくかわいらしい15歳の少女はどこにもいない!》

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