ソフィアさんちのチルちゃんと僕(21)~オペラ蝶々夫人の魅力④~
「ね~ね~チルちゃん、同じアゲハちゃんでもかわいいのときれい過ぎるのがいるね。
オペラの蝶々さんはあどけなくかわいい女の子でも、子供の幸せと名誉の為に自決するんだから意思の強い大人の女性でもいいんじゃないかなあ。」
「ふふふ、そうねえ、プリマドンナしだいよね、でもソフィアさんはどう思うかしら」
《 マダム・バタフライ=蝶々さんはこんな芸妓さんだったのではないか、とその時思ったのである。
プッチーニの有名なオペラ『Madama Butterfly』の蝶々さんは15歳(オペラの設定は明治初期なので数え年であろうから、現代では13~4歳のあどけない少女であろう)
蝶々さんがモデルとされているらしいのは、山村ツル(明治33年49才で死去)という芸者である。
“明治初年長崎にいた山村ツルという芸妓があり、造船技師の英人グラバー氏と親しく、その紋所が揚羽蝶であったため外人の間ではマダム・バタフライと呼ばれていた。”
(長崎博物館主、平山国三郎氏の談:昭和24年10月9日東京の読売新聞に掲載)》