ソフィアさんちのチルちゃんと僕(79)~世阿弥と福澤諭吉(2-2)~
「ねえねえチルちゃん、内緒にしたら花になるみたいだよ。内緒にしなければ花にはならないらしい。
おかしいよ。お能って観客に見せるものだろう?それを隠さないと花にはならないなんて・・・
絶対おかしい!」
《2、何故か!「秘すれば花なり。秘せずば花なるべからず」という流派内の秘伝とされている所以であろうかと考えられる。
現代においては、現代語訳にされた書物が公開され『日本の名著10』(中央公論社)にも収録されているが、ソクラテスやプラトンと同じく、名前くらいは知っているが内容は・・・、という人が殆どであろう。
『風姿花伝』とは、世阿弥が残した21種の伝書のうち最初の作品である。
亡父観阿弥の教えを基に、能の修行法、心得、演技論、歴史、能の美学など世阿弥が会得した芸道の視点からの解釈を加えた著述になっている。
全7編あり、成立は15世紀のはじめ頃。(最初の3つが1400年、残りはその後20年くらいかけて執筆・改定)
日本最古の能楽論の書であり、日本最古の演劇論でもある。また日本の美学の古典ともいえる。
以下(次回より)に内容を簡単にまとめてみた。》
写真:宮川直遠撮影・「オオムラサキツツジ」(「緑の環境委員会」より)