万葉の花々(24)~山萩(ヤマハギ・ハギ)~

万葉集 巻十 二一二一

秋風は 日に異(け)に吹きぬ 高円(たかまど)の

野辺(のへ)の秋萩 散らまく惜(お)しも

*『万葉集』に萩が登場する歌は一四一首ある。

その数は万葉植物(草木類)の中で最も多い。万葉人は萩を庭に植えたり、花を髪に挿してみたり、花が散るのを惜しんだ。そして、白露に濡れた萩や朝露にたなびく萩、鹿や雁と萩など、多種多様の萩の姿をとらえて歌を詠んでいる。

だが、歌の萩はすべて山萩のことである。山萩は落葉低木・花期は8~9月

現在、公園や庭などに多く栽培されているのは、宮城野萩(ミヤギノハギ)。初夏より初秋にかけて紅紫色や白色の花が咲く。枝が長く垂れ姿は優美。しかも、花が年2回咲くこともあり、夏萩とか二度萩とも呼ばれている。

「はぎ」の名が、古い株から芽生える「生(は)え芽(き)(木・ぎ)」が語源といわれるほど顕著である。

《花に寄せて》:高円の山(たかまどのやま:奈良市)あたりは万葉の頃すでに萩の名所だったらしく、萩の歌がいくつか詠まれている。志貴皇子(しきのみこ)の山荘があったところといわれる白毫寺 (びゃくごうじ)は高円山の中腹にあり、今でもたくさん萩が植えられている。また、麓にある田園地帯に位置する新薬師寺も萩の寺として人気があり、九月中旬には花が満開となる。

萩は茎を刈り取って垣根などに、若葉を摘んで茶の葉の代用として利用されたが、今では鑑賞用だけとなった。

『やまと花万葉 新装版』(東方出版 2010,4,28)「 103はぎ」より引用。写真はWikipediaより「山萩」

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《参考:Wikipedia より》

ヤマハギ(山萩)、は、マメ科ハギ属の顕花植物。秋の七草のハギは本種を指す。アジア原産で、山野にふつうに見られるハギで、観賞植物として広く栽培されている。

単にハギともよばれ、ハギといえばヤマハギを表わすこともある。「ハギ」には「萩」の漢字があてられており、これは日本で作られた国字である。古株からよく芽を出すことから、ハギの名には「生え芽」の意味がある。英語では、一般名 shrubby bushclover、shrub lespedeza、bicolor lespedeza でも知られる。

*利用法

日本での利用としては、観賞用に庭木や公園樹としてよく植えられ、茶花として好まれる。マメ科で栄養価が高く、放牧で食べられてもすぐに芽を出して再生力が強いことから、古くは家畜の飼料としても用いられた。ヤマハギの葉は、茶葉の代用とされ茶にされることがある。花が咲き終わる時期に根を掘り、根を水洗いし適当な大きさに刻み日干しにし、婦人のめまい、のぼせに対し、3 – 5グラムを水を加え半量まで煮詰めることで煎じて飲む

ヤマハギの花言葉は、「思案」「内気」とされる

ソフィア

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