ソフィアさんちのチルちゃんと僕(2)~雑談とは①~
「ソフィアさんの大好きなクジャクチョウね。」
「ねえ、ねえ、チルちゃん。ソフィアさん、雑談をするなんて言っていたけれど大丈夫かなあ。」
「大丈夫よ。だってソフィアさん何でもメモにして残しているようなの。さっき出かける前に、次に話すメモを探していたから、その辺にあると思うわ。」
「だったらそのメモ、早く見たいなあ」
「内緒で見てみましょうか。あった、あった、」
《最初の大学卒業後もずっと師事を続けていた、ピアノの武井博子先生(大芸大教授)とは、レッスン後いつもおしゃべり(雑談)を楽しんでいました。
ピアノ曲では移調演奏をすることはありませんが、声楽の場合よく移調で演奏を命じられるのです。特に東京二期会の森敏孝先生は、少しでも派手に目立つようにと、イタリア歌曲ではご自分がそうされるように、音を高く移調させて歌わされることがあります。
移調させられるとなぜか音楽の雰囲気が変わるのです。それが素晴らしくなる場合と、曲が要求している雰囲気には合わず大変歌いにくくなる場合とがあります。
平均律では移調によって音楽の雰囲気は変わらないはずですのに、私の身体はおかしいと言うのです。》
「ちょっと待って!」「移調ってなんだよ!平均律って?・・・意味不明だ!」