ソフィアさんちのチルちゃんと僕(66)~天才と凡人(6-1)~
「わあ、とうとうあと1枚になったよ。」
「1枚といってもそれを7回に分けてお話しするんだから、これで終わりではないわよ。」
「でも、今までのまとめみたいなもののようだから楽勝さ!」
「あらあら、クーちゃんルンルンね。」
「もちろん!ほら、あそこにキベリタテハちゃんも来ているよ。一緒にお話聞こうね。」
《「天才と凡人~中川牧三と福澤諭吉~(6)最終回」
杉本知瑛子(H.9、文・美(音楽)卒)
1、 * 「天才とは天性の才能である。」(広辞苑より)
結果だけを見て、凡人には想像も出来ないことを成し遂げる人間を私達は単純に天才と呼んでしまう。~「天才と凡人(1)」より~
*「シューベルトは梅毒の病魔が脳を侵し、その正常と異常の狭間で『冬の旅』が作曲された。天才と狂気が作り上げた作品をどのようにして解明できるのか?解明?それは無駄なことである。・・・」と長い間(現代の医学でシューベルトの梅毒は完治していたと証明されるまで)考えられていたことでも分かるように、天才と凡人は全く別世界の人間のように考えられてしまいがちである。~「天才と凡人(1)」より~
*オペラ:ミラノへ着いたその晩、近衛氏と二人でスカラ座でヴェルディの『リゴレット』を観劇。
近衛氏はドイツのオペラとは全く違うイタリアオペラに感動され、「日本にはまだこういう立派なオペラはない。何としてでも、これを日本に持って帰れ。君ならやれるから、そのまま持って帰れ」
と言われる。中川先生でなくとも誰でも無理と思うことである。独唱、重唱、合唱、オーケストラ、芝居、バレエまで全てである。
「そんなことはとってもできない。一人でやるなんて無理です」と答える中川先生に近衛氏は「一人だからできるんだ。一人でやれ」と命じられたのである。
~「天才と凡人(2)」より~》
写真:宮川直遠氏撮影「キベリタテハ」(「ハイムの蝶百科図鑑」より)