野草有効利用法:コンパニオンプランツ

野草有効利用法:コンパニオンプランツ

                                  杉本知瑛子(H.9、文・美(音楽) 卒)    

  コンパニオンプランツ

「ナス農家は大変です、チョット葉が触れただけで、そこを起点にナスの表面に茶色の傷がついて売り物になりません。

その為に風の当たらないように、ビニールハウスでの栽培に成るのですが、ハウス内で農薬を散布するので、それを吸い込んで仕舞って体調を壊して仕舞う人が多いのです。

白菜 キャベツは、特に虫がつきやすく、いくら「無農薬」をうたってる店で有っても???

有機栽培についても、本当に有機肥料だけで栽培してるかは、神のみぞ知るです。

白菜農家は,苗を植え付ける時に土壌に農薬を混ぜ込んでいます、つまり地上部に農薬散布することなく,根から薬剤を吸い上げている訳です。

まあ、無農薬・有機を売り物にしていても、実際は減農薬で有機肥料「も」使用していると思うのが無難です。

正真正銘の野菜を口にしたければ、自分で栽培するしかないと言うのが、私の持論です。」

*追記

「虫除けハーブの件ですが。

この種の効果が期待出来る植物は「コンパニオンプランツ」と言われ、根から独特の物質を分布し、これと一緒に植えると、病虫害の繁殖を抑え、植物の根を侵す線虫被害を防ぐ効果がある様です。マリーゴールドは、コンパニオンプランツとして、植えている人が多いですね。」

(山仲春男:元神戸植物検疫協会会長・元全国植物検疫協会副会長&(兼務)元大手商事会社 食料部長=食品部長 兼 穀物部長)

前回掲載させて頂いた山仲春男氏のコメントにびっくりして、コンパニオンプランツについて調べてみました。

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野菜には、それぞれ集まりやすい特定の虫があり、出やすい病気なども異なります。

こうした特性を利用して、違う種類の野菜を一緒に栽培することで、病害虫を抑えたり生長を助けるといった、良い影響が出る組合せを「コンパニオンプランツ(共生植物)」と言います。

間作・混植(コンパニオンプランツ)

順番に違う科の野菜を作る「輪作」を同時に行ってしまおうというのが、複数の野菜を一緒に植える「間作・混植」という方法。

間作は、作物と作物との間に他の作物を植える方法。混植とは株間などに他の作物を混合栽培する方法。

また、近くに植えることで、病害虫の発生を防いだり、生育が良くなったりと、お互いに良い影響を与える植物を「コンパニオンプランツ」と呼びます。

*コンパニオンプランツの効果

1.害虫を防除する

害虫は自分の好みの植物を探すとき、多くは匂いに頼っています。

異なる種類の野菜を混植すると、害虫は混乱し、目当ての野菜を探すのが難しくなります。

また、キク科、セリ科、シソ科など、強い香りを持つ野菜を用いると、それを嫌う害虫は近づかなくなり、近くで育つ他の種類の野菜も守られます。

2.病気を予防する

例えば、ヒガンバナ科(ネギ科)の野菜は、根に共生する微生物が抗生物質を出して、ウリ科、ナス科などの病原菌を減らします。

また、異なる種類の野菜が育つことで、生物相が豊かになり、特定の病原菌の増幅を防いでくれる効果もあります。

3.生長を促進する

異なる種類の野菜を近くで育てると、草丈が大きくなったり、収量が増えたりと、生育がよくなることがあります。

科学的には解明されていないケースはあるものの、葉や茎、根から分泌される特定の物質が他の種類の野菜の生育に役立っていると考えられます。

また、土壌の生物相が多様になり、肥沃になることで、生育が促進される効果もあります。

4.必要とする養分を供給する

マメ科の野菜は根に根粒菌が共生していて、空気中の窒素を固定することで、土壌を豊かにします。

そのため、マメ科の野菜を混植することで、生育促進に繋がります。

また、野菜の種類によって、それぞれ必要とする肥料成分が異なり、互いに融通し合うことで、双方の育成がよくなることもあります。

5.空間を有効活用できる

草丈の違いを利用して株元のあいた空間を利用したり、生育速度の違いを利用して野菜が大きくなる前に別の野菜を栽培するなど、空間を有効活用することで、トータルの収量が増加します。

コンパニオンプランツが、限られた面積で行う家庭菜園に向いている大きな理由の1つです。

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*(参考)主なコンパニオンプランツの組み合わせ例とその効果

主とする野菜 コンパニオンプランツ 効果
アブラナ科の野菜
キャベツ
コマツナ
チンゲンサイ
ブロッコリー
など
キク科の野菜
シュンギク
レタス
セリ科の野菜
ニンジン
独特の香りが、アブラナ科につく「モンシロチョウ

コナガ」などの害虫を防除する

コマツナ
チンゲンサイ
ミズナ
ニラ ニラの香りが、アブラナ科野菜につく害虫

ダイコンハムシ」を忌避する。

刈り取ったニラの葉を畝に敷くだけでも効果あり。

キュウリ
カボチャ
スイカ
ネギ ネギ科植物の根に共生する拮抗菌が分泌する

抗生物質が、土壌中の病原菌を減らす。

根が浅いタイプのウリ科野菜には、同じように根が浅い

ネギとの相性がいい。

トマト
ナス
ピーマン
ニラ ネギ科植物の根に共生する拮抗菌が分泌する

抗生物質が、土壌中の病原菌を減らす。

根が深く伸びるナス科野菜には、

同じように根が深く伸びるニラとの相性がいい。

トマト
ナス
ピーマン
ラッカセイ ラッカセイの根に付く根粒菌が空気中の窒素を

固定して土壌を肥沃にする。
根に付く菌根菌がリン酸分などの養分を吸収しや

すくする。

トマト バジル バジルの香りがトマトにつくアブラムシなどの

害虫を忌避。

また、トマトの根の周囲の水分を適度に保って

くれるため、糖度などの品質向上にも。

イチゴ ニンニク 開花が早くなり収穫期間が伸びて収量が増える。

ニンニクの香り成分「アリシン」には強い抗菌力が

あり、イチゴの病気が抑えられる。

サツマイモ 赤ジソ 赤ジソが過剰な肥料分を吸収して、サツマイモの

つるぼけを防ぐ。
赤ジソの赤い葉色が、サツマイモを食害する

アカビロウドコガネを忌避する。

ショウガ サトイモ どちらも日陰・水分を好む似たもの同士。
サトイモの日陰でショウガがよく育つ。
単独で育てた場合よりどちらも生育が良くなる。
タマネギ クリムソンクローバー タマネギにつく害虫「アザミウマ」を引き受け、天敵も呼よび寄せる。
マメ科の根に付く根粒菌が空気中の窒素を固定して土土壌を肥沃にする。
トウモロコシ インゲン
エダマメ
トウモロコシの天敵「アワノメイガ」が寄り付かなくなる。
マメ科の根に付く根粒菌が空気中の窒素を固定して土土壌を肥沃にする。
根に付く菌根菌がリン酸分などの養分を吸収しやすくする。
ニンジン エダマメ お互いの害虫を予防する働きがある。
ニンジンの「アゲハチョウ」と、エダマメの「カメムシ」を寄せつけにくくし、双方の生育も促進する。
ニンジン ダイコン ともに直根性で競合せず肥料分が少ない土で育つため、同じ畝で混植できる。
同じ根菜類でもニンジンはセリ科、ダイコンはアブラナ科と科が異なるため、互いの害虫を忌避することができる。
ホウレンソウ 葉ネギ 葉ネギがホウレンソウの硝酸を減らし、

えぐみが少なく甘くなる。
ネギの根に共生する拮抗菌が、

特定の病原菌を抑える。

カブ 葉ネギ 病害虫の発生が抑えられる。

葉ネギが過剰な養分を吸収することで、

苦みがなく甘いカブになる。

インゲン ゴーヤ どちらもつる性野菜なので支柱やネットを

有効活用できる。
インゲンにつくアブラムシ、カメムシ、

アズキノメイガなどの害虫を忌避する。

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