ソフィアさんちのチルちゃんと僕(64)~天才と凡人(5-4)~
「アレッ?私達まで出てきてしまってるわ。」
「この先生、ソフィアさんのお家で大阪慶友会の人達と腕相撲をしていた先生だよ。」
「私も見ていたわ。若い男性陣が誰も先生に勝てなかったのよね。スポーツマンや武道家もいたのに。先生は片手で学生は両手でかかっていたわ。
ソフィアさんも両手なら自信があるらしく挑戦したのはいいけれど、・・・全体重をかけて・・・」
「それでフワッ、だもんね。ゲラゲラ・・・片手で居並ぶ学生全員が次から次へと、ふわっではねえ」
「ところで、次は腕相撲の天才のお話になるの?」
「とんでもない!すごいんだから・・・よく聞いてね。」
天才と凡人(5-4)
《4、さらにもうお一人、慶應一の天才的頭脳の持ち主と学内で噂をされておられた慶應の教授(故)三浦和男先生(哲学者:元慶應義塾理事、元慶應通信教育部長)の天才性も忘れてはならない。
お若くして亡くなられたが、生前“天才と言われる方の頭脳の構造はどうなっているのですか”と伺ったことがある。お偉い先生にとんでもない質問をしてしまったものであるが、先生は丁寧にお答えくださった。
「僕は天才なんかじゃないよ。確かに語学では20ヶ国語近く話せるし論文程度なら全ての言語で読める。しかしそれは誰でもやればできることだ。例えば英語が完全にできていれば、ヨーロッパ圏の言葉はスペイン語でもフランス語でもイタリア語でも、一日二時間くらいの勉強で一ヶ月もあればマスターできる。
それは特殊な能力ではなく、他国の言語を日本の方言のような感覚で捉えて勉強すればいいんだ。
全てを全く別の言語として勉強すれば恐ろしいくらいの時間と労力がいる。英語や日本語と文法や文字の異なるロシア語や中国語、サンスクリット語、等は僕でも2ヶ月位はかかったよ。」とのご説明であった。「1ヶ国語が1~2ヶ月でマスターならそれはまさしく天才です!」と驚くと
「違う!やり方だ!」とたしなめられた。》
「わ~い!侵入成功!」
「コラッ!クーちゃん」
「僕、この先生よく知っているんだもの。僕もお話の仲間入り!」