山根 昭郎:51号「ボクのロンドン滞在記~シン日英同盟をめざして~(その1)プロローグ」
ボクのロンドン滞在記~シン日英同盟めざして~ (その1) プロローグ
山根 昭郎(1975 法卒)
6月24日(金)(①)
羽田空港から日航機に搭乗して、無事ロンドンに到着しました。
羽田からロンドンまでの飛行時間はなんと15時間!
以前はせいぜい12時間ともっと短かったのですが、ロシアのウクライナ侵攻の影響で、ロシア領空を迂回してアラスカ上空などを飛行するため、15時間を超える飛行時間になってしまったのです。
しかし、15時間のフライトもなんのそので、食事をしたり映画を観たり、たいして退屈することもなくロンドンヒースロー空港に着陸しました。
人間順応力がいかに大事かと思います。これから5週間を過ごすロンドンでの未知の生活に思いが広がります。
さて、フライト時間に加えて、密かに恐れていたのが、ヒースロー空港での入国手続きです。
英国人から、コロナ禍で一時空港業務が縮小したため職員を帰休した影響で、逆に急に増えてきた入国者をさばくことができていない、そのため4時間もかかるかもしれないと聞いていました。
しかし、心配していた入国手続きはあっけないほどスムーズに終了しました。
入国審査は、係官から入国目的や滞在期間などについて対面で質問がなされます。
行列に15分ほど並んだ後、いよいよ審査官とガラス越しに対面しました。
「7月末まで滞在する予定です」
と答えたところ、相手は慇懃な口調で、
「何をする予定なのか」と尋ねてきます。
そこで
「貴国の大学で働くことになっています」
と答えながら、おもむろに大学から入手しているレターを手渡しました。そして、
「貴国のために一生懸命働きます」
とちょっと笑いながら、語りかけました。
しかし係官はニコリともせず、書類とパスポートをこちらに返してきました。
まあ、期待したような会話は成立しませんでしたが、入国審査を無事にパスしました。
荷物が流れるベルトコンベアに来ると、滞貨して床に並べられているスーツケースが目立ちます。
いち早く自分のスーツケースがベルトコンベアに載って流れてくるのをみつけました。
荷物を引きながら、税関を通って空港ロビーに出てから、スマホを操作してみました。
事前に準備しておいた英国の携帯電話会社のSIMカードがちゃんと機能しています。
(この準備には、日本でけっこうな時間や手間を費やしたのですが、それについてはまた次の機会に)。
さっそくアプリを使って、Uberで車を手配しました。空港に配車させて市内のホテルに向かうためです。
こうして、わくわくするような、多くのエピソードを生んだ、ボクのロンドン滞在が始まりました。
(つづく)
風戸 俊城(山根 昭郎)
ハイム在住。住友商事㈱現役時代は中東、東南アジアの4か国に駐在し、40年勤務した後、現在は英国と日本を結ぶ知財プロモーターとして働く。経済・産業分野の翻訳業も手がける。オーストリア大使館商務部 兼務