ソフィアの野草有効利用法(11):コモンマロウ(ゼニアオイ)
コモンマロウ
コモンマロウの効果・効能とは?
日本ではゼニアオイと呼ばれるコモンマロウ(学名:Malva Sylvestris)は、西ヨーロッパ原産のアオイ属のハーブ。そこから地中海地方、北アフリカなどに伝わり、今は世界中の様々な地域で生息しているようです。繁殖能力は高く、道端などでも見る事ができる丈夫なハーブですが、その歴史は古く、古代ギリシャやローマの時代から使われてきました。北米では一年生、地中海地方では2年生、その他の地方では多年生と言われています。
種や濃いグリーンの葉はサラダやスープに入れて食べる事ができます。生薬として使われるのは、葉とピンク~薄紫色の花部で、精油も作られています。主に傷の治りを早める、炎症や痛みを抑える、呼吸器の問題改善、消化を助ける、睡眠の質を上げるなど様々な効能を持っています。
コモンマロウにはどんな成分が含まれているのか?
コモンマロウには、ビタミンA、B、C、E、イヌリン、フェノール、フラボノイド、タンニン、アントシアニン、精油成分、粘液成分、脂肪酸、食物繊維、そしてカルシウム、マグネシウム、亜鉛、セレン、カリウムなどのミネラルが含まれています。
コモンマロウの効果や効能
♦ 皮膚の問題―アンチエイジング効果も
打ち身、虫刺され、日焼け、発疹にはコモンマロウの抗炎症作用が役立ちます。腫れを抑えると同時に治りを早くしてくれます。皮膚には湿布やジェルなどが使われますが、関節の腫れなどに使うのも良い。
また粘液成分を含む為、保湿にも良く、タンニン、アントシアニンなどの抗酸化物質は、シワ予防など肌にアンチエイジング効果をもたらします。
♦ 鎮痛効果
コモンマロウは、皮膚の傷などの治りを早めてくれるだけではなく、痛みを和らげる働きも持っています。この働きは湿布などの外側からのケア、そしてチンキなどの摂取による内側のケアも同様に効果を見せます。
♦ 呼吸器の問題に
コモンマロウに含まれる粘液成分は喉の腫れた組織をカバーして守ってくれます。また炎症を抑える働きは、気管支炎や百日咳の痛みや腫れも改善します。コモンマロウティーは、咳やカタルの症状を緩和してくれるでしょう。
♦ 便秘に
便秘は多くの人が抱える辛い問題ですが、便秘薬となると副作用も気になります。コモンマロウのお茶は緩下剤として役立ちます。飲み過ぎは下痢を起こしてしまうかもしれませんので、摂取量には注意が必要。
♦ 免疫力系の強化
抗菌や抗真菌の働きは、感染を抑え免疫系を強くしてくれます。傷からの感染などを抑えてくれるでしょう。
♦ リラックス効果~睡眠
コモンマロウのお茶や精油は、心にも身体にもリラックス効果をもたらし、良い眠りに導いてくれます。
使用法
お茶(乾燥葉)、チンキ、精油、カプセルなどが販売されています。
コモンマロウティーの主な有効成分と、その効果について表にまとめました。
成分名 | 効果・効能 |
アントシアニン | 目の疲れを取る、眼病予防 |
ペクチン | コレステロール値を下げる、粘膜保護、腸内環境改善 |
タンニン | 殺菌、肌を引き締める |
コモンマロウティーの効果・効能について、成分別に見ていきます。
アントシアニン
これはポリフェノールの一種で、天然の色素です。
主に青い色素を持っていることで知られています。
合成着色料よりも安全であることから、食品の着色に多く利用されています。
・目の疲れを取る
・白内障、緑内障といった眼の病気を予防する
・内臓脂肪が溜まるのを防ぎ、メタボリックシンドロームを予防する
・炎症をしずめる
・細胞の老化を防ぎ、肌を美しく保つ
といった効果が期待出来ます。
ペクチン
これは食物繊維の一種です。
腸内環境を改善する他、粘膜保護やコレステロール値を下げる働きがあります。
・コレステロールの吸収を防ぎ、高血圧や動脈硬化を予防する
・糖分の吸収を防ぎ、糖尿病を予防する
・粘膜を保護し、炎症を治す
・便秘や下痢を治す
・腸を正常の状態に戻し、栄養を吸収しやすくする
などの効果が期待出来ます。
タンニン
ポリフェノールの一種で、植物の渋みのもとになっている成分です。
抗酸化作用や殺菌効果があります。
・殺菌し、炎症を抑える
・肌を引き締める
・シミやくすみが出来るのを防ぐ
・血管の老化を防ぎ、動脈硬化や心筋梗塞を防ぐ
という効果が期待出来ます。
コモンマロウティーには、特別に注意すべき副作用などはありません。
適量であれば、安心して美味しくいただけます。
ただし、あまりに過度な飲み過ぎはおすすめできないので、必ず適量を守って飲むようにしましょう。
特に以下の方はご注意ください。
・妊娠中、授乳中の方
・食物アレルギーがある方
・治療中の病気がある方
コモンマロウティーは、その見た目から華やかな香りや味がするように思いますが、実際は全く違います。
微かに甘い香りと味がするものの、ほとんど無味無臭なのです。
見た目を楽しむハーブティーと言えます。
味も楽しみたい場合は、他のハーブとブレンドするといいでしょう。
*コモンマロウティーを美味しく飲む方法。
基本の淹れ方
カップ一杯分のハーブティーに対して、ティースプーン一杯分のコモンマロウをティーポットに入れます。
お湯を注ぎ入れ、フタをして蒸らします。
蒸らし時間は3分~5分程度です。
茶こしを通してカップに注げば出来上がりです。
はちみつやレモンを加えるのがおすすめです。
水出しの作り方
水150mlに対し、ティースプーン1~2杯分のコモンマロウを入れます。
1~2時間置いて、色や味を十分に抽出させます。
フィルターを通し、グラスに注いで出来上がりです。
ブレンドティーレシピ
コモンマロウティーは、お茶というより「ハーブティー」とブレンドされることが多いようです。
ローズヒップ+コモンマロウ | ローズヒップとコモンマロウを混ぜた茶葉を使って淹れます。 ローズヒップの程よい酸味が加わります。ビタミンと食物繊維が豊富に含まれている為、美肌効果や腸内環境改善効果が期待出来ます。 |
セージ+コモンマロウ | 強い抗菌・殺菌作用を持つセージとのブレンド。 少し苦みのあるすっきりとした味わいになります。コモンマロウの殺菌作用との相乗効果が得られます。風邪予防におすすめです。 |
タイム+コモンマロウ | タイムも抗菌・抗ウイルス作用があるハーブです。 スパイシーな香りとほろ苦い味わいになります。風邪やインフルエンザ予防におすすめです。 |
カモミール+コモンマロウ | リラックス効果があるカモミールとのブレンド。 どちらも甘い香りにクセのない味わいなので、飲みやすいです。抗菌+リラックス作用が得られるので、風邪気味で体が疲れている時におすすめのブレンドティーです。 |
コモンマロウティーは、その華やかな見た目と、ハーブ系のお茶とブレンドされることが多いことから、どちらかというと洋食に合うと言えます。
鮮やかな色の変化を楽しめることから「サプライズティー」とも呼ばれるハーブティーなので、おもてなしにもぴったりです
コモンマロウティーは、ヨーロッパで広く知られているハーブティーです。
しかし、日本ではまだあまり一般的に知られているとは言えません。
その為、乾燥させたコモンマロウの花が手に入れられるのは、主にハーブ専門店やネット通販となります。
コモンマロウティーの要点
・最大の特徴は、のどの炎症を抑えてくれること
・目の疲れを取る効果や、生活習慣病予防効果もある
・腸内環境を整える働きも期待できる
・ほとんど無味無臭で、微かに甘い香りと味がする
・ローズヒップ、セージなどのハーブティーとのブレンドがおすすめ
天然の茶葉だけで色が変化するというのは驚きです。
炎症を抑える効果だけでなく、見た目でも楽しませてくれるというのはとても魅力的です。
コモンマロウティーの華やかな見た目は、風邪気味で落ちている気分も上げてくれそうです。
風邪っぽいかも、と思った時には、コモンマロウティーを飲んで、体も心も癒していこうと思います。
*GPT-4を使用したCoplilot :コモンマロウの利用法
コモンマロウ(学名:Malva sylvestris)は、その花や葉を様々な方法で利用することができます。
- ハーブティー:コモンマロウの花で作るハーブティーは、美しい青紫色をしています。レモンを加えると、その色はピンク色に変化します。この特性から、フランスでは「夜明けのお茶」とも呼ばれています。このハーブティーは、消化器系や呼吸器系の炎症に良いとされています。
- サラダ:若い葉はビタミンが豊富で、サラダに利用することができます。
- 野菜:根と葉はゆでて野菜としても利用できます。
- 肌ケア:葉と花の浸出液は、肌を引き締め、炎症や湿疹にも効果があります。
- 手当て:葉をもんで、虫刺されや傷の手当てに使用します。
以上のように、コモンマロウはその花や葉を様々な方法で利用することができ、その利用法は多岐にわたります。ただし、自己判断での使用は避け、必要に応じて専門家の意見を求めることをお勧めします。