野村政直(18)~「福澤諭吉全集の牛歩研究(18)」・・・42号

「福澤諭吉全集の牛歩研究からの18話と、ロシア侵略情勢など」

                     野村 政直 (平成15、経)

2022年(令和4年)2月24日、ロシアのプーチン政権は国際法を無視して、自分たちの主張だけを押し通す形でウクライナ国境を越えて、軍事進攻を行った。世界第2位と言われた軍事力を信じ、短期間で首都キエフを陥落させ、今のゼレンスキー政権を倒して自分たちに都合の良い傀儡政権を作ろうと画策した。2014年に同様な手口でクリミア半島を略奪し、今は東部のドネツク州等と共に親ロシア行政地区に無理矢理にしている。進攻の理由としてこのウクライナ東部でのロシア人虐殺を挙げ、ある事ないこと嘘八百を声高に叫んだり、ウクライナがEU側に入ったり、NATOに加わることは容認できないと主張し、誰が見ても我儘で責任ある国家と言えない侵略戦争を開始した。歴史的にもロシアは周辺国家に対して軍事力で侵略し、それまで生活していた住民を虐殺したり、強制排除したりして、その地域からの富の略奪で国力を伸ばすというとんでもないヤクザ活動を行って来たが、21世紀のこの時代になっても同じ蛮行を繰り返してしまった。日本も大2次世界大戦末期に同様な被害を受けている。北方4島を1945年当時はまだ有効だった日ソ不可侵条約を破って突然進攻し不法占拠され、その不法占拠が今も続いているので、ウクライナ問題は他人ごとではない。このウクライナ侵略から直ぐに欧米を中心にロシアを排除する運動が発動され、日本も責任ある国家として、国際金融・貿易・通信等などからのロシア排除に協力し、プーチン政権の不法な侵略から世界情勢が大きく変わった。石油やガスやパラジウム等の希少金属等、これまでロシアに依存してきた資源価格が高騰し、物価高が加速し、株価は急落した。今は400万人を超える避難民をどの様に受け入れるかEUだけではなく、世界中が次の対応に追われている。アメリカ軍やNATO軍やEU側の全ての国々がロシアを糾弾し、武器や食料や必要物資をウクライナに供給し、1月以上が経ったこの4月に入り、首都キーフ周辺の地域ではロシア軍の撤退が報じられてきている。古い戦車部隊や武器に対して、欧米側は無人飛行機やドローンやサイバー攻撃を中心に味方の損害以上にロシア軍の撃退と排除に威力を発揮し、プーチン政権の目論見は見事に失敗に終わってきている。今後、どの様な収束に向かうのか、トルコやイスラエルなどが政治的な仲介役に立ってくれているので、一日も早い戦争終結が望まれる。マスコミ報道では生物・化学兵器の使用も取りざたされ、プーチンは核使用も言及しているので、この蛮行の収め方に知恵と勇気と対話が緊急に求められている。今は突然に生活環境を奪われたウクライナ難民やまだ国内に留まっている人達への人道支援が急務となっていて、日本でもその難民支援をどの様に進めるのか、避難者が余りにも多いので国際社会による団結したウクライナ国民への支援実施が急務となっている。

この間、コロナ第6波のピークは過ぎたようだが、一向に収束する気配はなく、世界はwithコロナである程度の感染数は許容し、コロナで重篤化しない、死なない手立てをして経済を回す方向に舵を切ってきている。唯、日本の大多数がコロナ未感染者となっていて、3回目のワクチン接種も何とか伸びているが、人が集まる集会や感染リスクが高い活動への抑制は続くので、こちらも更に的確な対応策が必要な状況が続いている。3月26日にワクチン接種の3回目を受けた。1回目と2回目はファイザー製のワクチンを打ったが、今回は初めてモデルナ製のワクチン接種を受けた。翌日体全体の倦怠感が強く、少し心配になったが、その翌日には回復し、特に会社を休むこともなくコロナ感染を防ぐワクチン接種は政府のお陰で何とか出来ている。それでも3密回避や、常時のマスク着用は続けているので、不自由な生活はまだ元には戻っていない。専門家の最新発行書などを読むと、やはりウィルス学者でも今回のコロナは相当に難敵で今のパンデミックは徐々にしか収まらず、まだ見通しが立たないとの事。重要な事はワクチン接種で出来ている防衛力以上のコロナ量の感染を受けないことで、僅かな感染では重症化しない体を各自が維持すること、これに現時点では尽きる様だ。

福澤全集の研究も当初の進捗のまま牛歩的なスピードで進んでいる。年間4回の投稿時期がくると、何とかスピードを上げて読み進めるが、難解な文章が多く、まず旧漢字を理解するのに下調べ等が必要になるので、時に別の外国語を調べる努力が要る。それでも少しずつ続けているので、この会への投稿も何とか続けられている。今は継続性がより大切なので、福澤全集の分析も続けている。今回も第4巻の文明論の概略を少しずつ読み進めている中から線を引いた個所の考察を続けた。この分析作業の中でヨーロッパでの侵略戦争とその後の対応などに関する記述があったので、ウクライナ問題が続いている状況下、その個所を今回は重点的に分析して、下記に纏めてみた。

第8章 西洋文明の由来より、頁134のL4から、「今の西洋の文明はローマ滅亡の時を初とす。紀元300年代の頃よりローマ帝国の権勢漸く衰微に赴き、400年代に至て最も甚だしく、野蛮の種族八方より侵入してまた帝国の全権を保つ可らず。~~~この野蛮の諸族、帝国を蹂躙してローマ数百年の旧物を一掃し、人間の交際に行わるる者は唯腕力のみ。無数の生番、群を成して侵略強奪至らざる所なし。従て国を建てる者あれば従て併合せらるる者あり。~~~未だ国の体を成さず。人々各一個の腕力を呈ふして一個の情欲を恣にするのみ。後世この時代を目して野蛮の世、または暗黒の世と称す。即ちローマの末より紀元900年代に至るまで凡そ700年の間なり。」今のウクライナ情勢もロシアによる国際秩序を無視した蛮行であり、暗黒の世と後世に記された侵略行為が行われた時代と、ロシアによるウクライナ市民への2022年の殺戮は、愚かな人類の歴史の繰り返しであろうか。歴史は繰り返すと言われるが何の罪もないウクライナ市民が其処に住んでいるだけでロシア軍に殺戮されている実態は、ロシアによる戦争犯罪以外のなにものでもない。

その続きで頁137 L13では、「宗教は既に精神の世界を支配して人心を奪ひ、王侯の俗権に対立すと雖も、尚これに満足せずしていわく、精神と肉体とどちらか貴重なるや、肉体は末なり又外なり、精神は本なり又内なり、我は既に基本を制して内を支配せり、~~~、ローマの法皇は恰も天上地下の独尊なるが如し。」今回ウクライナで侵略戦争を犯しているロシア政府の要人や、軍人、政治家、それらを先導しているプーチンにローマ法皇の精神世界からの良い働きかけや侵略停止の働きかけが出来ないものだろうかと考える。肉体的にはウクライナの領土を侵し続けている野蛮行為があり、これを止めて元の関係に復帰するには、彼ら政治トップの精神状態や、信仰心を正さないと、何時までもウクライナでの泥沼が続き、無差別攻撃によるウクライナ市民の犠牲者が増え続けてしまう。様々な経済制裁が実施されているが、ロシア軍による蛮行を止めさせるには経済制裁だけでは力が弱い様だ。特にプーチンの精神構造を何とか変える手立てがないと、ウクライナ国民だけではなく、ロシア国民にも、また世界中の人々の不幸が止まらない状況が長く続きそうで困った状況、心配が続いている。ロシア正教では政府による他国への侵略行為を正当化しているのだろうか。全く、理解できない蛮行がこの2月から2か月も続いていて、まだ止みそうにない。

さて、最後に最近の塾の報道関係のプレスリリース情報から1つの科学的な話題に触れてみる。それは血管により硬い歯がつくられる仕組みを解明(虫歯・歯周病により失われた歯の再生医療への応用に期待)と発表されたもので、歯の血管の立体構造に関して新たなイメージング技術を開発し、歯が硬くなる過程において、血管が深くかかわっている事を明らかにしたものだ。歯がどの様にして硬くなるかに関する研究で、将来的には、虫歯や歯周病などにより失われた歯の再生や、特に硬い歯をつくるための技術への応用が期待されるもので、昨今の色々な再生医療の一環として、慶應大学から素晴らしい研究成果の一面を窺い知る報道記事があったので、最後に少し触れてみた。

(野村政直:慶友三田会会長・石原産業社長室・医学博士)

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